静寂なるバリ島のニェピを体感 沢山ありすぎた凄かった
以前、年に一日だけバリ島が静寂になるニェピを一緒に体験しませんか?と記事をアップ。 残念ながら希望者はゼロだったが、僕自身どっぷりバリ文化を肌で感じようと単身でバリ倶楽部スタッフ・グストゥの村に宿泊した。
今までバリ固有の文化や独特な伝統芸能、自然にその人たちのライフスタイルを伝えようとしてきたが結局僕自身何もバリ島なんて全然分かっていなかったぐらい今回のニェピ体験は僕にとって衝撃的で考えさせられた滞在だった。
その村は果物の王様ドリアンの食べ放題
グストゥの実家に到着するや果物の王様のドリアンが至る所に置かれてあり訪問客の僕にウェルカムドリアンを振舞ってくれた。久しぶりに口にしたドリアンはまるでクリームチーズのような甘美で且つ濃厚だったがドリアンとお酒の食べ合わせの相性は悪く死に至るケースもあるので少し控えさせてもらったが実にうまかった。
縁起の良い日だから豚
次にグストゥが裏庭でポトンバービーをするから一緒に見るか?と誘ってくれた。 ポトンは切り落とす意味で、バービーは豚 すなわち豚を切り落とすことでバリ島の縁起の良い特別な日には必ずポトンバービーがある。
グストゥの父親兄弟7家族が住んで近所も親戚らしく今回は30家族がお金を出し合い生きた豚を市場で購入。 ブヒィ~ブヒィと必死な抵抗をする豚を僕は間近で見てられず変な汗が背中から滲んできた。
さっきまで生きてた豚はお金を出し合った人々であっという間に解体され血も含めて各部位を30家族分に分けていく。 その状況を見てられなかった僕はスーパーマーケットで売られている豚肉のどっちのパックが新鮮か?等と普通に選んでたが鶏肉も魚も牛も、野菜だって全て生きているものから頂いていて死んでった命を絶対に無駄にしてはいけないと改めて実感させられた。
神様に解体した各部位をお供えとして捧げる。
ペットボトルに入った椰子の焼酎アラックが登場
村に着いてウエルカムドリアンから始まりポトンバービーと間髪入れず次から次へ衝撃波を僕にぶち込んできたが水浴びをしたおかげで今までの興奮した身体の火照りもクールダウンした気がした。 ただそんな矢先グストゥは両手にミネラルウォーターのペットボトルを2本持ってきた。 飲もう!と差出てくれたのだ。
ペットボトルの中身はココナッツの茎液を抽出し蒸留したアルコール度数40%の椰子焼酎アラック ウエルカムドリアンが未だ胃で消化されきっていないだろう・・・・なのにグストゥ君グッドタイミング!
なぜかドリアンと豚肉が酒の肴で村中の酒好きが集まりグラスに注がれたアラックを一気に飲み干し夜中まで宴が続いた。
宴の閉めはおぼろげだが小豆とココナッツミルクのアイスを頂いて記憶はぶっ飛んで眠りについた・・・・
翌朝は快晴 二日酔いの状態で迎えた本番
未だアルコールが体内に残ってフワフワと夢の中 気持ち悪く迎えた翌朝は快晴のスタート。 水浴びをして村の寺院で参拝しに出掛けた。 2日前に御神体を海で清める儀式で今回は御神体を本堂に迎い入れる儀式だ。
たわわに実るドリアンに囲まれ、息をすればアラック臭、ポトンバービーの衝撃、今は灼熱の暑さを耐えながらお香の煙が鼻をくすぐってくる。 複数で絶大なインパクトが重なったハーモニーの中、部外者である僕は出来る限り迷惑を掛けないようにしてたが何人か近づき挨拶をしてくれた うろ覚えだが昨晩一緒に楽しく飲んだのだろう。
昼12時は鬼が出てくる交差点でお供えをして参拝。*バリ人は神があれば鬼、白に黒 右に左 上下 山海とあらゆる二極に自分はバランスが崩れないよう常に心掛けている。 だから神様も鬼も同等にバランスを崩さないようお供えをして参拝をする。
少しばかし休憩をして再度水浴びで身体を清め正装に着替え、鬼を象った張りぼてのオゴオゴを見に出かけた。
村々で作ったオゴオゴと呼ばれる鬼のシンボルを一同に紹介
鬼が集まりやすい道路の交差点ではオゴオゴを荒々しく動かしていく
子供が作ったオゴオゴもあって盛り上がる。
村々のオゴオゴフェスティバルは終了 戻る際に子供たちが自作のオゴオゴを担ぎ練り歩いていた。
浅草寺のお香の煙を身体に被る意味
夕方グストゥの家が騒がしくなってきた おばちゃんが松明を持ちお経を唱えながらバシッバシっとあらゆる所を叩いて家中を歩き、一方で何人かはそのおばちゃんを追って鍋の底や竹筒を木などで叩いていく。
家の隅に潜むブタカロと呼ばれる鬼を松明の火と音で掃きだしていくそうだ
最後は家中の人が集まりお供え物を囲いお香の煙を身体に被り自身にある邪心を一掃し心身共にクリアにする。 浅草寺などお寺で身体をお香で清めて仏様にお会いすること等と似て宗教観が重なった。
夜本番 村中に潜む鬼を呼び起こす
日も暮れ鬼が動き出す頃、アラックをクィッと飲んで活気付いた村の若い衆を中心に鬼に見立てた張りぼてのオゴオゴを担ぎ勢いよく村中を練り歩き始めた。
2時間ほど掛け村の隅から隅まで担ぎ歩き、村人達はその担がれたオゴオゴを追って家先で行われた事と同様に竹筒を棒で叩きながら鬼を掻き出していく 自分自身、そして家と村とありとあらゆる所にあるであろ邪心(鬼)の大掃除 最後は村の端でオゴオゴを壊して終了 後日火で燃やすそうだ。 そして煩悩を抑え自分を見つめ直すためにオゴオゴが終わってから丸一日掛けて火を使わず 働かず 出掛けず 娯楽をしないの4つをすることでバリ島内が年に1日だけ静寂が訪れる。
来年もこの村に戻って村の人達と一緒に過ごしたいと心からそう感じた滞在だった ありがとうグストゥ そして村の人達
観光から旅へシフト 自分の足で本物を感じよう
どんな展開になるかわかりませんが一緒にいかがですか?